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新規就農と野菜農家

今、中山間地域の農業は大きな変革期にある。中山間地域では高齢化・人口減少と後継者不足により農業をやめようとする人や農地を手放そうとする人が急増している。この状態は、農地の受け手がない場合には耕作放棄地の急拡大による農村崩壊をまねきかねない危機であるが、経営規模拡大をめざす農業者や農業新規参入者など、あたらしい農業を進めようとする者のいる場合には農業と農村が新しく生まれ変わる大きなチャンスである。農地をこれほど容易に入手あるいは譲渡できる時代はかつてなかったからである。将来の中山間地域の農業はこの新しい農業の担い手によって再構築されるだろう。そして、農村社会はこの変化に対応して再編成されるにちがいない。この変革期を生き残り地域の将来を担うスマートなつよい農業経営とは何か。ここでは野菜農家をめざす新規就農希望者のための書籍情報を集めました。

小規模米農家の経営継承は危機状況
農家はもっと減っていい
ー大淘汰時代の小さくて強い農業とは? 久松達央 光文社新書

人口減少時代の農業と食 窪田新之助・山口亮子 ちくま新書
日本一の農業県はどこか 農業の通信簿 山口亮子 新潮新書

おすすめ本1:「稼げる新農業ビジネスの始め方」 山下弘幸 すばる舎
著者の主張:就農するとは起業することである、営農するとは経営することである
第1章 農業で成功するためのキーワードは「ビジネスセンス」
第2章 我は農業界のジョン万次郎なり
第3章 農業会社に勤めてガッチリ起業準備する
第4章 農業起業してガッチリ個人事業者になる
第5章 めざせ!農業コンサルタント
ホームぺージ: 農テラス 山下弘幸

おすすめ本2:小さい農業で稼ぐコツ 30aで1200万円 西田栄喜 農文協
はじめに 小さい農業だからこそ幸せに
第1章 小さい農業の魅力
第2章 野菜つくりーコンスタントに育てる
第3章 漬物・お菓子作りー長く売れる加工品を作る
第4章 売り方ー個人を出して売る
第5章 つながり方ーファンを増やす
第6章 小さい農業の考え方
「農で1200万円 日本一小さい農家があかす脱サラ農業はじめの一歩」 西田栄喜 ダイヤモンド社 も素晴らしい本です。皆さんに勧めます。
1年目売上100万円(所得0円)、4年目所得350万円、16年目売上1200万円(所得600万円)

石川県能美市 野菜セット 多品目少量栽培 1200万円/年 30a
ホームページ: 菜園生活 風来

おすすめ本3:多品目少量栽培で成功できる小さな農業の稼ぎ方 中村敏樹 誠文堂新光社
この本を読まれる方に
第1章 多品目栽培の魅力
第2章 コスモファームの取り組み
第3章 成功する多品目栽培の基本
第4章 栽培の基本
第5章 多品目で取り組む6次化産業
第6章 自分で売る・販路の確保
第7章 これからの農業
徳島県高松市 野菜セット 多品目少量栽培 4千万円/年 90a
ホームページ: COSMO FARM

おすすめ本4:小さい農業でしっかり稼ぐ兼業農家の教科書 田中康晃 同文館出版
はじめに
第1章 新規就農者が進むべき「逆バリ農業」のすすめ
第2章 ゼロからスタートで農業年商1000万円になった私の就農ストーリー
第3章 小さい農業でしっかり稼ぐ実践ノウハウ
第4章 しっかり稼いで長く続ける兼業ノウハウ
第5章 農業の未来のために伝えたいこと
1年目売上0円、4年目売上300万円、10年目売上1000万円。
兵庫県神戸市 いちじく・イチゴ・農園  少品目多量栽培 1000万円/年 29a
ホームページ: エースクールあかまる農園

おすすめ本5:直販・通販で稼ぐ年商1億円農家 寺坂祐一 同文館出版
はじめに 
第1章 小さな農家が直販の道を選んだ理由
第2章 直売所をはじめてお客様に直販するとき大切な4つのポイント
第3章 最強の農業経営「農業+直接販売」モデル
第4章 お客様との関係性を深め、ファンが増え続ける農家になる
第5章 生産から収穫・発送まで「どうやったらできるか」を考え抜く
第6章 社員・スタッフが生き生きと活躍する農園作り
北海道中富良野町 メロン・(アスパラガス)・農園 少品目多量栽培 1億円/年 3.5ha
ホームページ:寺坂農園

おすすめ本6:なぜネギ1本が1万円でうれるのか? 清水 寅 講談社
プロローグ
第1章 凡人には努力がすべてだ サラリーマンから脱サラ・新規就農・ネギ栽培へ
第2章 なぜ1本一万円だったのか 農地の入手と販路開拓営業
第3章 雑草と闘ってはいけない ネギの大量栽培とおいしいネギ栽培法の工夫
第4章 羊の世界を一歩も出るな ネギ苗・特製有機肥料・培土販売
第5章 部活のような会社にしたい 収穫・出荷と会社経営
エピローグ
山形県天童市 ネギ・(ホウレンソウ)・ネギ苗 少品目多量栽培 1.8億円/年 10ha
ホームぺージ:ねぎびとカンパニー

野菜農家で稼いでいけるか?
京都府の平均世帯年収は501万円です。これを参考にすると京都府で稼げる農家であるためには夫婦で働いて年商1000万円(原価率50%で所得500万円ほどが基準となります(京都府の平均所得)上述のように耕地面積30aでも年商1000万円を超える農家があります。すなわち、野菜農家であれば1ha以下の小さい農家であってもやり方によっては十分稼いでいけます。しかしこれは就農10年目の年商です。売上1年目0~100万円、4年目300~700万円、10年目1000万円。

1.野菜セット農家の特徴  10種類ほどの野菜からなる野菜セットを販売
・個人客向けに数種類の野菜のセットを毎月届ける。約8個/日。有機野菜が多い。
・洋食レストラン・和食レストラン・居酒屋・学校や旅館や会社の食堂等に希望の野菜セットを毎日あるいは毎週納入。
・その他に、野菜苗を個人向けに販売。
・直販、SNS、ホームページ、電話をつかう。

2.特定品目農家の特徴  特定の(高品質)やさい・果物を販売
・特定の野菜・果物をソバ屋、ラーメン店、カフェー、丼店、中華レストラン、洋食レストラン、和食レストラン、居酒屋、洋菓子店などに毎日あるいは毎週納入。果物などは「狩り園」(イチゴ狩り園・モモ狩り園・ブドウ狩り園)でも販売。
・個人に直販。注文に応じて。高品質品は贈答品となる。
・直販、SNS、ホームページ、電話をつかう。

3.両者に共通な点 直販か市場(またはJA)出荷かで大きく異なる。
直販は、おいしさや安心・安全を求める消費者の顔が見えてその評価や希望が聞けるのでやりがいがある。JAや市場出荷では規格内か規格外かなど輸送や販売上の問題が品質の重要な評価点になり、やりがいを感じにくい。JAの生産部会などで共同出荷するばあいは消費者の意見が生産者に届く、また生産者のすがたが消費者に届く工夫が必要である。
・直販では自分で価格を決めることができ収益も大きいが、JA・市場出荷では価格を決められないし収益も少ない。場
合に応じた直販とJA・市場出荷との適切なバランスが重要である。
・特定品目の直販は富裕層や高意識中間層向けの高価格・高品質品である場合が多い。市場を通すものは通常価格の場合が多く一般向けの標準品質である

4.特定品目の選択は農業者の特徴というよりすでにその地域の特産品であったものをブランド化して大量栽培・高品質・高価格化したものである特産品をJA等で出荷している野菜・果物はたくさんあるが農業者が直販を行いブランド化しない限り生産者のすがたが見えない一般品と思われる。

書籍:新規就農・兼業のすすめ・専業のすすめ
稼げる新農業ビジネスの始め方 山下弘幸 すばる舎
農で1200万円 日本一小さい農家があかす脱サラ農業はじめの一歩 西田栄喜 ダイヤモンド社
小さい農業で稼ぐコツ 30aで1200万円 西田栄喜 農文協
多品目少量栽培で成功できる!! 小さな農業の稼ぎ方 中村敏紀 誠文堂新光社
小さい農業でしっかり稼ぐ兼業農家の教科書 田中康晃 同文館出版
ゼロから始める脱サラ農業の教科書 田中康晃 同文館出版
直販・通販で稼ぐ年商1億円農家 寺坂祐一 同文館出版
脱サラ就農 九条ネギで年商10億円 山田敏之 PHP
農業はじめてBOOK 淵野雄二郎監修 小学館集英社
セミプロ農業が日本を救う 大澤真一 東洋経済新報社
ビシネス・パーソンの新兼業農家論 井本喜久 クロスメディアパブリッシング
キレイゴト抜きの農業論 久松達央 新潮新書
農家はもっと減っていい 大淘汰時代の小さくて強い農業とは 久松達央 光文社新書
成功する農業 岩佐大輝 朝日新聞出版

農業で成功する人うまくいかない人 澤浦彰治 ダイヤモンド社
なぜネギ1本が1万円で売れるのか? 清水 寅 講談社新書
1本5000円のレンコンがバカ売れする理由  野口 憲一 新潮社

その他
有機農業と慣行農業 松中照夫 農文協

小さな経営改善ノウハウ100 佐川友彦 ダイヤモンド社
新規就農・就林への道 担い手が育つノウハウと支援 「季刊地域」編集部 農文協
3訂版 新規農業参入の手続きと農地所有適格法人の設立・運営 田中康晃 日本法令

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野菜農家のタイプ

兼業農家1:農村にすみ、農作物を生産・販売して収入を得るが、基本的に1家族でできる規模の農業を行う。農繁期のみアルバイトを雇うことがある。別の職業(年金を含む)でも生活に必要なお金を稼ぐ兼業農家。田舎生活を楽しむことが目的ではなく、独立直販型経営を行う自営農業者として収入を得ながら生きることをめざす。このほかに、自分が食べるコメ・野菜・果物などを栽培して自給農業をする。この中には定年後農業者が含まれる。将来、中規模専業農家として経営規模拡大をめざす人もいる。

兼業農家2:農村にすみ、農作物を生産・販売して収入を得るが、基本的に1家族でできる規模の農業を行う。別の職業(年金を含む)でも生活に必要なお金を稼ぐ兼業農家。田舎生活を楽しむことが目的ではなく、自営農業者として収入を得ながら生きることをめざすが、他の農業法人・JA・商社・協同組合と契約して部会員・協力農家として指定された作物を指定された方法で生産する。経営は独立型ではなく下請け企業に近い。このほかに、自分が食べるコメ・野菜・果物などを栽培して自給農業をする。この中には定年後農業者を含む。将来、兼業農家1としての自立をめざす人もいる。

小規模専業農家1:農村にすみ、農作物を生産・販売して収入を得るが、基本的に1家族でできる規模の農業を行う。田舎生活を楽しむことが目的ではなく、独立直販型の自営農業者として収入を得ながら生きることをめざす。農繁期のみアルバイトを雇うことがある。このほかに、自分が食べるコメ・野菜・果物などを栽培して自給農業をする。将来、独立経営の中規模農家をめざす人もいる。

小規模専業農家2:農村にすみ、農作物を生産・販売して収入を得るが、基本的に1家族でできる規模の農業を行う。田舎生活を楽しむことが目的ではなく、自営農業者として収入を得ながら生きることをめざすが、多くは他の農業法人・JA・商社・協同組合と契約して部会員・協力農家として指定された作物を指定された方法で生産する。経営は独立型ではなく下請け企業に近い。農繁期のみアルバイトを雇うことがある。このほかに、自分が食べるコメ・野菜・果物などを栽培して自給農業をする。将来、独立経営の中規模農家をめざす人もいる。

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